黒谷和紙の特長

黒谷和紙の特長

強くて破れにくく、長期保存にも適した黒谷和紙

黒谷和紙は京都府綾部市黒谷町・八代町と、その周辺地域でつくられた紙です。
とても丈夫で、力を入れても破れにくい特長があります。
強靱な和紙は日常生活の中に欠かせないものとして、古くから提灯、和傘、障子、包装などに活用されてきました。
また、京の都に近い産地であったことから、京呉服に関連した値札、渋紙、たとう紙など、京都の伝統産業を支える存在でもありました。
 
長期の保存にも耐えられることから、1994年に世界遺産として登録された二条城(京都市)の障子や曼殊院(京都市)のふすまなど、文化財にも使用されています。

伝統の「手漉き」の技法を守り、作業はすべて手仕事

良質の楮(こうぞ)を原料として、原料の処理から加工までをすべて手作業で行うことにより、黒谷和紙は丈夫な紙となります。
特に紙漉きの工程は「手漉き」(てすき)にこだわり、職人の手で1枚1枚、しっかりと漉き上げています。
全国的には安価でスピーディな「機械漉き」が進みましたが、黒谷では豊かな自然と清流の中で、機械化とは対極にある希少で素朴な和紙を育み続けています。
1983年(昭和58年)には、その技法が京都府無形文化財に指定されました。
 
作業の流れは大きく11に分類されます。
一部の工程を除いて分業はせず、(6)楮煮~(10)乾燥までを1人で行います。

(1) 楮(こうぞ)の栽培
(2) 刈り取り
(3) かごむし
(4) かごへぎ
(5) かごそろえ
(6) 楮煮
(7) みだし
(8) 叩解(こうかい)
(9) 紙漉き
(10) 乾燥
(11) 加工

黒谷和紙は、こんなところでも使われています。

黒谷和紙は古くから提灯紙や傘紙、障子紙等、生活に密着した紙として使われていますが、
その他にも様々な用途で使われています。

文化財や伝統的行事に

1994年に世界遺産として登録された二条城(京都市)の障子や、天理教本部(奈良県天理市)の提灯、曼殊院(京都市)のふすまなどに使われています。
また、染色家 吉岡幸雄氏によって染められた和紙製の作り花(椿)は、国宝・東大寺二月堂(奈良市)で毎年2月に行われる「お水取り」の行事に使用されています。

芸術作品・アートに

日本国内では、宮本竹逕(書家)、井口青山(書家)。
海外では、ジャスパー・ジョーンズ(アメリカ・画家)など、有名な方々に使用いただいています。
 
また、フランスのルーブル美術館で修復用紙としても使われるなど、特にヨーロッパでは「クロタニ」と呼ばれ高い評価を得ています。

2009年には、皇室から海外に送られるクリスマスカードとして使われました。

世界で最も美しい本

黒谷和紙は1970年代には既に海外で知られていました。
1970年につくられた「紙すき村 黒谷」(中村 元 著)という本が1972年にドイツで開催された世界の図書展で「世界で最も美しい本」としてグランプリを獲得したのがきっかけです。
この本はすべて和紙を使い、作業工程等の挿絵は金山ちづ子さんが1枚1枚手で型染めしたものを使用し、手作りの本として250部が発行されました。

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